好きな曲の歌詞を挙げるよ
個人的に印象深い志村さんの歌詞を挙げていくよ。こういう表現はなかなか見ない。
Clock
明日になればきっと よくなるなんて 希望
持てれるものならば とっくに持ってるよ
『CHRONICLE』NO.7
フジファブリックの曲は『若者のすべて』から入ったけど、アルバム『CHRONICLE』の曲を聴いてからどんどんハマっていった。
特に『clock』で「こんな表現をする人がいるんだ」と思った記憶。陳腐だろうけど、「この人は信用できる」と感じた。
これが人間のリアル。人間臭くていい。そういう曲を作る人は最近いないのかな。テレビでは見ないよね。
晴れなら気分良好 雨なら逆に下降
天気に左右上下 振り回されちゃうよ
『CHRONICLE』NO.7
そして二番の同じ部分も好き。初めて音楽で「自分と同じ感覚をもっている人がいる」と思った。
志村さんが繊細だったのは感じられるけど、特に敏感だったんじゃないかな。それなのに曲を作って披露してくれて、もう感謝しかない。
ないものねだり
僕はなんで大事なところ間違えて 膨大な問題ばかりを抱えて
いつも カッコつけられないままなんです いっそ笑ってよ
『CHRONICLE』NO.14
『clock』に続いて好きなのが『ないものねだり』。これも等身大で人間臭い歌詞。
ミクロなところだと「膨大な問題ばかりを抱えて」が刺さった。これが刺さった当時のことを忘れかけているけど、一人で膨大なことを抱えていたのは確か。
もう事切れそうなところで出会えて良かった。その後の「いっそ笑ってよ」や、この曲の優しい空気感に助けられたと思う。
まるで天国のお花畑にいるようで、志村さんが苦笑いしながら前世を慈しんでいるよう。すべてを受け流す感じで胸がいっぱい。
バウムクーヘン
何をいったいどうしてなんだろう 全てなんだか噛み合わない
誰か僕の心の中を見て 見て 見て 見て 見て
『CHRONICLE』NO.1
「全て噛み合わない」という表現が刺さる。何もかも上手くいかないことはあるよね。
志村さんのような方でも噛み合わないことがあったということ。それを表現してくれた勇気に感謝。
言葉では伝えられない 僕の心は臆病だな
怖いのは否定されること 僕の心は臆病だな だな
『CHRONICLE』NO.1
大切にできずごめんね 僕の心は不器用だな
冷めたあとようやく気付く 僕の心は不器用だな だな
『CHRONICLE』NO.1
このサビの部分の率直さに感動する。ここまで不器用で率直で真っ直ぐな言葉があるだろうか。
「言葉では伝えられない」「怖いのは否定されること」も共感できるし、特に2番の「大切にできずごめんね」「僕の心は不器用だな」は涙が出るような気持ち。
自分は家族に対してそんな気持ちがあったし、そのように共感した。
これも勇気ある表現で、これをあのメロディーに乗せて歌ってくれたのは感謝しかない。全てを受け流す懐の深さを感じられて、本当に胸がいっぱいになる。
エイプリル
何かを始めるのには 何かを捨てなきゃな
割り切れない事ばかりです 僕らは今を必死にもがいて
『CHRONICLE』NO.6
「僕らは今を必死にもがいて」が刺さった。静かに内面を吐露しつつ、打ちひしがられるようなメロディが続いていく。
自分は今ももがいてる。志村さんは何でもがいていたのかわからないけど、苦悩が伝わってくる言葉。それが伝わるだけこちらも助かる。
記念写真
ちっちゃな野球少年は 今では大きくなってたまに石につまずいて
僕は何でいつも同じことで悩むの?肩で風を切って今日も行く
『TEENAGER』NO.2
「ちっちゃな野球少年」は志村さんのことか。その少年は大きくなったけど、石につまずくことがある−。
そして「何でいつも同じことで悩むの」が刺さった。悩みはずっと同じことだよね。だって行動できないから。変えるべきものを変えられないから変わらない。
ただ、それも人間じゃないかね。それくらいが人間らしくていい。割り切れないこともあるけれど、一日は進む。春の風に吹かれながら進む。そんな歌。
君は僕じゃないのに
いつまでも僕らはまた同じ事繰り返す
ポケットは中は違えど いつもいっぱいさ
『MUSIC』NO.5
ここもシンプルなところだけど、「いつまでも同じことを繰り返す」が刺さった。自分もいつまでも繰り返すばかり。
志村さんはどんなことを繰り返していたのか。フジファブリックのグループで抱えているものがあったのかな。ポケットは…の部分も意味深で深い。
セレナーデ
明日は君にとって幸せでありますように
そしてそれを僕に分けてくれ
『シングルB面集 2004‐2009』 NO.12
ここも切なくて優しい歌詞。それと同時にこの言葉が浮かぶ志村さんの限界も浮かんでくる。
「君の幸せを分けてくれよ…」という切なさと悲しさ。志村さんの苦悩が伝わってこちらも物悲しい。
タイムマシン
僕はまあまあ元気で居るけど 全てうまく行くことはあんまない
『CHRONICLE』NO.13
『タイムマシン』を聴いている自分もしんどいけど、まぁまぁ元気でいることはある。ただ、上手くいっているかというとそんなことはない。
戻れるのかな タイムマシンのように同じように笑えるかい
『CHRONICLE』NO.13
だいたい そうだ ほんとにそうだ 全てがうまく行くわけない
だいたい そうだ なるべくそうだ 後悔だけはしたくないのです
『CHRONICLE』NO.13
「戻れるのかな」「すべてが上手くいくわけない」この悲しさやなんたるものか。一人で独白しているような悲しさ。
才能ある人は追い詰められてほしくないけど、その気持だけでも表現してくれたのには感謝したい。
自分も追い詰められたらまた響くんだろう。そしてまた感動する。
ルーティーン
さみしいよ そんな事 誰にでも 言えないよ
見えない何かに押しつぶされそうになる
『シングルB面集 2004‐2009』 NO.13
みんな寂しいよね。それはそう言える人がいないから寂しい。志村さんも一人で闘っていたのかな。
「見えないなにかに押し潰されそうになる」と部分は、簡単に言葉にできるようなものじゃないと思う。
でも、自分もそんな感覚に襲われることがあるし、志村さんが抱えていたことも大きくて膨大だったんだと思う。
ロマネ
オーライ 君が呼んでいる 恥ずかしい 僕のすべて伝えたい
『TEENAGER』NO.8
「恥ずかしい僕の全て伝えたい」が刺さる。志村さんはどんな恥ずかしいことがあったのか。
「君」は志村さんのそれを受け入れてくれる人だったんだろう。すべてを打ち明けても受け止めてくれる人、そんな人がいたらいいよね
Anthem
何年間で遠く離れてしまった いつでも君は 僕の味方でいたんだ
でも いない いない いない いない いない いない いない いないや
もう いない いない いない いないいない いない いない いないや
『CHRONICLE』NO.10
行かないで もう遅いかい? 鳴り止まぬ何かが 僕を襲う
轟いた 雷の音 気がつけば 僕は一人だ
『CHRONICLE』NO.10
Anthemは志村さんの魂からこぼれるものを感じられる。志村さんの本気だと思う。
自分は特に2番の歌詞が刺さった。自分も何年間で遠く離れたような人がいる。志村さんにとってその人はかけがえのない人だったんだろう。でも、いない。もういない。
「行かないで」はもう本当に切ない。聞いている側も胸が張り裂けそうな気持ちになる。そして「気がつけば僕は一人だ」という魂の叫び。
吹雪の中で志村さんが立ちすくんでいるような、讃美歌を捧げているような雰囲気がある。聴くのに元気がいるけれど、自分にとって重要な言葉がある。
笑ってサヨナラ
どうにかなってしまうかもしれない そうなってしまうかもしれないものかもしれない
『アラモルト』NO.6
どうにもならない事が多すぎる どうでもいい事ならいいのに
『アラモルト』NO.6
志村さんは『笑ってサヨナラ』の時点で限界だったんじゃないかと思ったりする。ある意味ではそこから曲を絞り出してくれたともいえるのか。
本当に事切れそうで儚く散りそうな歌。でも、後に本当にそうなってしまったのが悲しい。
「どうにもならない事が多すぎる」というのも刺さるし、「どうでもいい事ならいいのに」という表現もなかなかできないもの。割り切れないことばかりだよね。
もっと志村さんの曲を聴きたかった
YouTubeのコメントなどでよく「志村さんの新しい曲が聴きたい」という声を見かけるけど、以前は「志村さんは最大限の曲を作ってくれた」と思っていた。
ただ、最近のバンドの周年やメンバーの年齢を見れば、デビュー5周年の29歳で亡くなるのは早いと思う。
もっとメジャーな音楽番組に出てほしかったし、大衆に届く作品も増えていたと思うと、自分も残念な気持ちになる。
ただ、それでも十分な楽曲を作ってくれたと思うし、何度聴いても志村さんの曲は味がある。
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